LIVING ART IN TOYAMA 2020 回顧録(その1)

 D&DEPARTMENT TOYAMA で開催された⿃居セメント⼯業の展覧会「Black&White」の為に制作した「MARGINE BOX/余⽩の箱」は、当初室内でも外でも使⽤出来るラックにと考えていました。時節は丁度コロナが猛威を振るい始めた春、⼈々は外出もままならず桜の花⾒も叶わなかった。そんな⼈々を少しでも元気づけたいと、内側だけにビビットな⾊を塗る事にしました。⾊付けした物を外の芝⽣に置いた瞬間に、これはいけると確信しました。 芝⽣広場がランドスケープアートの様にもストリートファニチャーの様にも⾒えたのです。

それからしばらくして、D&DEPARTMENT のスタッフの⽅が興奮した⾯持ちで「⼥⼦⾼⽣が沢⼭やってきてマージンBOXで撮影しまくって楽しそうに遊んでいる」と伝えてくださいました。⼀切リリースもしなかったのに…答えが出た瞬間でした。

 しかし私はこの時にもはや、リビングアートで発表するMARGINE BOXを使った作品「未来を創る」のイメージが明確に出来上がっていました。⼯業製品に今までに無いひとつひとつ違う表情を創り出し、彩りと⾃然光を加える事で無機質な物から有機質な空間が⽣まれる。思考を⽌める事なく創意⼯夫を続けた向こうに、⾒た事の無い不思議な世界観が⽣まれる。トンネルをのぞいたり、座ったり、インタラクティブな世界が表現出来ると。会場では⼦供達がトンネルでお互いの顔を⾒ながら楽しんでいるのを⾒て本当に嬉しかった。

 

 「MARGINE BOX/余白の箱」 は単体だけでなく、同時に発表した「EARTH/地球」と合体させ、企画展示「動かせるアート」として会場の⾄る所を彩ってくれました。 今回のリビングアートで改めてテラゾという素材の⼤いなる可能性を再認識する事が出来ました。

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