LIVING ART IN TOYAMA 2020 回顧録(その2)

 KAKI とオバタ硝⼦⼯房のコラボペンダントや⽊端のシートもビックリする様な出来栄えの物ばかりで企画ミーティングを積み重ねた甲斐がありました。CDC のドライフラワーとテキスタイルを使ったスワッグも本当にお洒落でしたね。知⼈が参加されて、その後家の⽞関に設えた写真を送ってくれましたがまさにリビングアートで感激しました。

 内藤先⽣の段ボールのスツールもお⾒事、あの異形のセンスは先⽣ならではでした。ウォールペイントは昨年の3 倍もの参加学⽣が猛暑ももろともせず松村先⽣の指揮のもとエネルギッシュな作品に仕上げてくれました。素晴らしいレガシーになった事は間違いありません。富⼤ファクトリーも新作のモビールから始まり、万華鏡のパーツで出来た⼀輪挿しも⼤⼈気で学⽣達も嬉しそうでした。⾷も反響が⼤きくて来年に向けて新企画も登場する事になりそうです。

 兎にも⾓にもコロナ感染者が発⽣しなかった事が⼀番良かった。 こんな時だからこそリビングアートの精神、「アイデアと創意⼯夫で暮らしや⼼を豊かにする」を実現する必要が私に課せられた使命だと取り組んで来ましたが、素晴らしい仲間の皆さんの尽⼒でタスクを達成する事が出来ました。

 前⾝の⽊⼯家具コンペティションから今年で20 年経ちました。富⼭⼤学の今年の学⽣達はその年に⽣まれた⼦達です。その事を学⽣に伝え、「新たな歴史を作ろう!」と呼びかけた瞬間、学⽣達の⽬つきが変わったのがリアルに感じられました。 学⽣達にはこの経験を活かしてこれからもリスクを恐れずリビングアート精神で⾊んな事にチャレンジしてもらいたい。

最後に、今回リビングアートが⼀時の流⾏では無く、ライフスタイルとして定着してきた家族を沢⼭⾒る事が出来ました。これからも富⼭がリビングアートの⽣まれた街としてここで⽣きる⼈達の誇りにできる様に全⼒を尽くします。

来年、またお会いしましょう!

総合プロデューサー 貫場幸英

LIVING ART IN TOYAMA 2020 回顧録(その1)

 D&DEPARTMENT TOYAMA で開催された⿃居セメント⼯業の展覧会「Black&White」の為に制作した「MARGINE BOX/余⽩の箱」は、当初室内でも外でも使⽤出来るラックにと考えていました。時節は丁度コロナが猛威を振るい始めた春、⼈々は外出もままならず桜の花⾒も叶わなかった。そんな⼈々を少しでも元気づけたいと、内側だけにビビットな⾊を塗る事にしました。⾊付けした物を外の芝⽣に置いた瞬間に、これはいけると確信しました。 芝⽣広場がランドスケープアートの様にもストリートファニチャーの様にも⾒えたのです。

それからしばらくして、D&DEPARTMENT のスタッフの⽅が興奮した⾯持ちで「⼥⼦⾼⽣が沢⼭やってきてマージンBOXで撮影しまくって楽しそうに遊んでいる」と伝えてくださいました。⼀切リリースもしなかったのに…答えが出た瞬間でした。

 しかし私はこの時にもはや、リビングアートで発表するMARGINE BOXを使った作品「未来を創る」のイメージが明確に出来上がっていました。⼯業製品に今までに無いひとつひとつ違う表情を創り出し、彩りと⾃然光を加える事で無機質な物から有機質な空間が⽣まれる。思考を⽌める事なく創意⼯夫を続けた向こうに、⾒た事の無い不思議な世界観が⽣まれる。トンネルをのぞいたり、座ったり、インタラクティブな世界が表現出来ると。会場では⼦供達がトンネルでお互いの顔を⾒ながら楽しんでいるのを⾒て本当に嬉しかった。

 

 「MARGINE BOX/余白の箱」 は単体だけでなく、同時に発表した「EARTH/地球」と合体させ、企画展示「動かせるアート」として会場の⾄る所を彩ってくれました。 今回のリビングアートで改めてテラゾという素材の⼤いなる可能性を再認識する事が出来ました。

Scroll to top